手術
骨盤底の緩みで咳やくしゃみや運動などで漏れる、腹圧性尿失禁。膀胱や子宮が下がり排尿困難を起こす、骨盤臓器脱。これらで重症度が高い場合、手術を勧められることがあります。
腹圧性尿失禁の手術
腹圧性尿失禁が早期の場合は、骨盤底筋体操をすることで改善されることも多くあります。
ところが、それをやっても良くならないとか、重症度が高い場合は手術の対象となります。
手術方式には、ポリプロピレン製のメッシュテープを使った、TVT手術やTOT手術があります。
骨盤底の緩みにより、尿道がぐらつき不安定になります。このときに腹圧がかかると、尿道が広がって尿もれが起きやすくなります。
TVT手術やTOT手術はいずれも、尿道のぐらつきを改善する手術です。
TVT手術
下腹部に5mmの切開2ヶ所、膣に15mmの傷。尿道を支えるようにテープをめぐらせ、下腹部の切開にテープを出します。
自分のコラーゲンなどの結合組織でテープは固定されます。
テープは膀胱の近くを通るので、稀ですが膀胱やごく稀ですが小腸を傷つけたりすることもあります。
再発例や重症例に効果的です。
TOT手術
両脚の付根に5mmの切開。テープを通し、膀胱の下部や尿道を支えます。基本的に膀胱や小腸を傷つける心配がありません。
TVT手術、TOT手術ともに、入院期間は3日〜7日程度です。
骨盤臓器脱の手術
1cmほどの臓器脱ですと、骨盤底筋体操をしたり、日頃から重いものを持ったりしない、便秘の時にりきまないといったことで良くなることもあります。
しかし、2cm〜3cmほど臓器が出てくるようになると、排尿や生活に支障が出てきますので手術を勧められます。
以前は、子宮を取って膣の壁を縫い縮めるという手術が主流でした。
最近では、体への負担が少なく、子宮を温存できるといったことから、メッシュシートを使ったTVM手術が行われるようになりました。
脚の付根を4ヶ所切開。4つの足の付いたメッシュシートを体内に入れ、メッシュシートの足は、脚の付け根4箇所に自然固定。膀胱をハンモックのように支える形になります。
入院期間は5日〜10日程度です。
6週間は重い物を持ったり、自転車に乗ったり、性交渉は控えてください。万が一ですがメッシュの露出がありえますので、最低2年は医療機関のフォローアップを受けてください。
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